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2012/02/25

日産リーフのCMは不当表示? 原発とEV

坂本龍一さんが出演する日産のEV「リーフ」のCMの「CO2が出ない」という表現をめぐって、化石燃料で発電した電力を使うならCO2を出していることになるから「不当表示」だという批判がネット上で噴出しているようです。


YouTube: the new オーナー 坂本龍一(30Sec)

しかし,このCMをよく見てみると走行中は「CO2が出ない」ととれるので,「不当表示」だとも思えません。今は,節電と原発に敏感になっているからでしょう。

EVとCO2との関わり,つまり「EV走行中のCO2排出量はゼロであるが,間接的に発電時にはCO2を出している」については,EVが表に出てきた数年前からすでにいわれてきたことで,今さら大きく騒ぎ立てるようなことでもないでしょう。私の旧のElectric vehicle News(電気自動車ニュース)を捜してみたら2007年6月14日の記事に以下のようなものがありました。(内田恭子さん出演の「iMiEV」 CMに関わって)

● Eco | スペシャルコンテンツ(三菱自動車)

・出演されている中にある「CO2ゼロで走る」に異議を唱える方もいらっしゃるでしょうが,CM後半に小さく以下のように書いています。

「走行中のCO2排出量ゼロ」

「全課程ではi(アイ)ガソリン車に対し72パーセント低減」

それでも日産リーフのCMが話題になるのは,以前にも書いた「節電」と「電気の節約」を混同していたり,EV=電気の無駄遣い,EVのためには原発が必要という意識が根強く働いていたりするためでしょう。(節電と電気自動車 2011/12/29)

そこにも書きましたが,「節電」とEVとは相反するものではなく,私のEV(i-MiEV Mグレード)では少なくともガソリン自動車と比較して6倍もエネルギー効率が優れています。ですから,電力会社は新たにEVへの充電のために発電しなければならず,その分コストが上がってしまうでしょうが,日本の国として考えた場合にはガソリンの量は6分の1少なくてすむことになるのです。

具体的には,EV1台の充電には3kW必要となり,今までに補助金を受けたEVは全国に約1万5千台ほどあるとされていますから全部のEVが同時刻に充電したとしても4万5千kW,下の画像にあるように2012年2月24日6時の関西電力に限っても電力余力は945万kWもありますから十分すぎるほど余裕があるのです。

20120224_70806

よって,夜間から翌朝にかけて自宅で充電することが基本であるEVが近い将来,関西電力管内に100万台うまれたとしても300万kWですから,新たな発電所は必要としないばかりか,原発の再稼働も全く必要としないのです。

(CO2 排出に関する文は不正確なために削除しました)

それにしても,節電の夏を乗り切り,冬の暖房需要は夏とは電力ピークが違うから更なる節電をといわれながらもこの厳寒期を乗り越えたと思ったら,今年の夏は「今の電力需給では再稼働必要…枝野氏が初言及 読売新聞-Yahoo!ニュース 2月24日(金)」だそうです。

「(原発の)再稼働がなければ(今年夏は)相当な節電が必要になる」と述べた

2012年2月25日現在,関西電力で稼働中の原発はゼロですから,今の発電余力(2012年2月24日22時現在2704万kW)がほぼ最大値になるのでしょうか。

(修正:2012年3月2日6時には2710万kWと出ていました。また,3月25日の新聞広告欄には2月平均で2730万kWを確保とあります。「平均」ということは2730万kW以上の時もあったということですから,一時的な最大値はもっと大きなものとなったのでしょうが,2月というと2月21日に関西電力が保有する原発がすべて停止するまでの期間も入りますから,2730万kWあたりが最大値と考えてもよいでしょう)

20120224_224936

関西電力が出している会社案内「KANDEN PROFILE2010」(2011年版はWeb上に見当たらない)によれば,総発電量は3,432万kWとなっていますが,原発分の977万kWを引くと2455万kWとなります。上の2704万kWと合いませんが,この2年間に発電所を増設したり設備を増やしたのかもしれませんし,他社から買い上げているのかもしれません。ですがこの2704万kWを基準として考え,昨年の夏の実績と比べると「相当な」節電が必要になるのかが見えてくると思います。

昨年の夏には上に示したようなYahoo!に掲載されている「電気予報」のスクリーンショットをほぼ毎日撮っていました。(ただし,仕事の都合で朝と夜のみ)そこで,その中から一番使用電力の大きなものを取り出してみると,それは2011年7月11日(月)19時のものとなり,その量は2524万kWでした。(下の画像)

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この日は平日の月曜日ですが,電力ピークが来たであろう昼過ぎの時間帯ではありません。しかし,暑い夕方ですからこれでもおおよその目安にはなると思います。ということは,分母が先の2704万kWとすれば使用率は約93パーセントとなります。今年の夏の暑さがどうなるかはわかりませんが,昨年並みと仮定するなら乗り越えられる範囲内であり,「相当な」節電が必要になるという言葉はその根拠を示さない限り信用できないものとなります。

毎シーズン前に毎回「オオカミが来るぞ」といわれているようなものです。繰り返しますが,2012年の冬には2730万kWあたりが最大値で,下の供給力予測はいかにも小さいものです。

2月の第4、5週には、2559万kWの最大需要に対して供給力は2343万kWに落ち込み、8.4%不足。続く3月の第1、2週は最大需要が2459万kW、供給力は2243万kWで8.8%足りなくなり、1月第3週から2月第3週までも最大需要、供給力それぞれ、2665万kW、2477万kWと7.1%不足する(ECO JAPAN 2011年11月2日。元記事は削除されている)

上の予想が外れたのはご存じの通り。今度は以下の記事。

関電の場合、昨夏は4基稼働していた原発がゼロとなれば供給力は550万キロワット低下して2398万キロワットとなり、昨夏の最大電力実績を下回る日が、7~9月で41日間も発生するとした(フジサンケイ ビジネスアイ 2012年3月17日)

だいたいにおいて,「使用率」というのが怪しい代物です。上に示したように「使用率」とは,「使用電力」を「ピーク時供給力」で割ったものですが,毎日それも時間帯によって刻々と電力会社は「ピーク時供給力」を調整しているからです。

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たとえば,最初に示した2月24日(金)22時は「ピーク時供給力」2704万kW,「使用電力」1899万kWで「使用率」が70パーセント,上の画像の2月26日(土)9時は「ピーク時供給力」2575万kW,「使用電力」1838万kWで「使用率」が71パーセントと「使用率」の数字はほとんど変わりませんが,その中身は大きく違います。土曜日には,使う電気が少なくなりますから発電の供給力も抑えているわけです。

マスコミ各社では毎日「使用率」を発表していますが,「ピーク時供給力」も同時に示している所はほとんどなく,「使用率」だけを取り出して強調しているようにも思えます。実際にニュースなどで90パーセントの日が何日などと解説していますが,「使用率」だけを比較しても分母が違うのですからあまり意味はありません。日本人は「不安」に陥りやすい国民だそうですから「使用率」90パーセントが続けば,原発の再稼働は必要という世論に傾くかもしれません。

うがった見方ですが,Yahoo!でも当初は上のように分母と分子を同時に表示していましたが,8月1日からは以下のように「使用率」のみの表示に変わってしまいました。(リンク先には「供給電力」もあります)

20110801_213147

2月24日の朝日新聞によると「大学生の4人に1人、「平均」の意味誤解」だそうですが,どれだけのマスコミ人が 「使用率」の意味をきちんと理解して報道しているのかはなはだ疑問です。

「日産リーフのCMは不当表示」の話からずいぶんずれてしまいましたが,「情報」の「不当表示」や「気分」に左右されることなく,冷静にどのようなことがより良いか判断していきたいものです。

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